東久留米駅東口から駅前の大通りを道なりに5分ほど歩くと自転車屋があり、その隣に並ぶようにして、今回ご紹介する店「べべ・グラン」があります。
1995年4月末に開店し今年で11年目、店長でパティシエの山田美保子さんは、1人でお菓子の調理からレジ打ちまでこなします。週4日は、自らが講師となってお菓子教室も開いています。
山田さんは店を出す数年前までお菓子作りがほとんどなく、お菓子は買うものだと思っていたそうです。私は、お店を開く方は昔からずっとお菓子作りをしているか、他のお店もしくは海外で修行するものだと思っていましたので、とても驚いてしまいました。
山田さんがお菓子を作り始めたきっかけは、小学生だった娘さんからの一言でした。
当時、娘さんは友達の誕生日パーティーに招かれていました。帰ってきてからの話題がそこで出された誕生日ケーキでした。「どうしてうちのお母さんはお菓子を作らないの」と言われてしまい、自分でもお菓子は作れるんだ、娘のためにも、お菓子作りに挑戦してみようと思ったそうです。
オーブンは自宅にあったものを使用し、必要な道具や材料はちょうど同じ頃に開店した近くのお店で揃えました。
また、そのお店でお菓子作りを習うにあたって渋谷典子先生の教室を紹介してもらいました。この教室は製菓関係の著書などで知られる今田美奈子先生の分室教室で、この教室で指導を受けながら、お菓子作りの基礎から学び始めました。
学べば学ぶほど、お菓子作りのおもしろさに目覚めていった山田さん。最初は周りに振舞っていくこと
を楽しんでいましたが、そのうちに、段々と自分のお菓子教室、そして自分だけの店を持ちたいと夢を抱くようになり、渋谷先生にも勧められ、「やるなら今しかない」との気持ちで店と教室を開きました。
お菓子作りを習い始め、ただの趣味にとどめることなく、念願のお菓子教室や店を開くことが出来た山田さんの話を聞いて、私はいつでも行動力と強い意志があれば夢が実現出来るんだと感じました。
「べべ・グラン」とは「大きな赤ちゃん」という意味です。由来は、オーナーである山田さんのご主人が、昔通っていた喫茶店の名前から来ているそうです。店の外には小さな看板。中に入ってみると、ケーキの入ったショーケースと、テーブルが2つの小さな喫茶スペース、奥には厨房があります。うすい黄色の壁紙とオレンジ色の扉、さまざまなインテリアがお店全体を明るく、さわやかな印象を与えます。この内装はオーナーが自らデザインしたもの。でもそのお洒落なインテリアも、初めの頃は地域の皆さんに敷居が高いと思われていたみたいです。
時が経つにつれ、手作りの味とともに山田さんの明るい親しみやすい人柄も手伝ってか、地域にもすっかり馴染み、今ではさまざまなお客さんが訪れます。
お客さんは、40〜50代の女性が主ですが、中には定期的に買いに来る男性の方もいるとのことでした。 男女問わずいろいろな人に愛されているお店です。